やる気駆動型エンジニアの備忘録

WPF(XAML+C#)の話題を中心に.NET/Android/CI やたまに趣味に関するブログです

Azure DevOps でErgoDox EZ のキーマップをビルドする

前回、Circle CI を使ってErgoDox EZ のキーマップをビルドする方法を紹介しました。 今回は"Azure DevOps"版です。

なお、今回の記事ではAzure Pipelines を使用します。ビルド対象のリポジトリGitHub にあるものを使用します。 要はAzure DevOps にリポジトリを作成する必要はありません。

下準備

Azure DevOps も同じようにビルドの設定を行います。Azure Pipelines を使用するにはProject を作成しておく必要があります。取り敢えず適当に名前をつけてProject を作成しましょう。

私はこんな感じで"ErgoDox"としました。

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Azure Pipelines でビルド

次にビルド設定を追加します。 [Pipelines] - [Builds] - [+ New] を選択してビルド定義の編集画面へ進みます。

ビルド対象のリポジトリGitHub にあるものを使用します。 "Select a source"から [GitHub] を選択してリポジトリとブランチを選択します。

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[Continue]を選択するとビルド定義のテンプレート選択画面が表示されます。 今回はLinux 上でスクリプトの実行ができればいいので"Empty Job"でOKです。

なお、YAML ファイルをゴリゴリかける方はそちらでもいいと思います。私はGUIYAML 生成という手順で実行しました。

Agent pool はお好みでいいですが、今回は"Hosted Ubuntu 1604"としました。

次に以下のタスクを追加します。

  • Bash
  • Copy Files
  • Publish Build Artifacts

それぞれ次のように設定しました。

Bash

ここではスクリプトを呼び出しているだけです。前回のCircle CI でビルドしたスクリプトを実行しています。

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Copy Files

スクリプトの実行後に出来上がる .hex ファイルをコピーします。これがないと成果物を保存できません! Source Folder は現在リポジトリに存在しないフォルダでもいいみたいです。Contents には成果物であるファイル名を指定してください。

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Publish Build Artifacts

成果物をAzure DevOps に保存します。 Path to publish は例にある通り"$(Build.ArtifactStagingDirectory)"としました。特に変更する必要もないので。 Artifact name は成果物につける名称なので何でもいいのです。私はわかりやすさ重視で".build"としました。

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トリガーを設定する

ビルド タスクの設定ができたらリポジトリへのPush を検知できるようにします。 手動で行いたい場合はこの手順は不要です。

[Trigger] - [Continuous integration] - [Enable continuous integration] のチェックをON にします。 検知対象のブランチは適宜設定してください。

成果物を保存する

あとはSave してキーマップを編集、Push するか、手動でビルドすると成果物が保存されます。 生成されたファイルはビルド結果の[Artifacts] - [<成果物の名称>]を選択します。

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Artifacts explorer が表示されるのでファイルを選択して[Download]を選択してください。

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Azure DevOps だとビルド タスクの作成がGUI でできるため、他のCI サービスと比べると格段に敷居が下がる印象です。(もちろんそれ以前にCI とAzure DevOps の知識は必須ですが) また、Azure DevOps では手動ビルドすることも可能です。Circle CI なんかは軽く調べただけでは手動ビルド方法がわかりませんでした… ちなみに今回作成したタスクをYAML で生成するとこんな感じになりました。

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https://pbs.twimg.com/media/Dkt3fnqUcAAVaUN.jpg:large

Circle CI でErogoDox EZ のキーマップをビルドする

1年と少し前から使い始めたErgoDox EZ ですが、少しキーマップを変えたいなと思いました。 しかし、時間が経過しすぎて前回ビルドしたBash on Ubuntu on Windows も環境ごとOS をクリーンインストールしていました。

ちなみに前回のビルドでハマったところは以下にまとめています。

iyemon018.hatenablog.com

時代は2019年
もうそろそろCI サービスでも使って自前で環境構築なんかしたくないと思い、せっかくなので触ったことのないCircle CI を使ってみました。 また、今回はDocker を使用してビルドします。 私はDocker も触ったことが無いのでこの方法が正しいかどうかは自身がありません。。。

なお、この方法は2019年01月24日時点のものです。時間が経過すると同じ方法ではビルドできない可能性がありますのであしからず。

取り敢えずやりたいことはこんな感じです。

  • リポジトリGitHub にあるものを使用する
  • キーマップファイルは手元のWindows 環境で編集する
  • Circle CI を使用して自動ビルドする
  • ついでにArtifacts から .hex ファイルをダウンロードできるようにする

下準備

まずは以下のqmk_firmware のGitHub リポジトリをFork しておきます。

github.com

つぎにCircle CI でFork したプロジェクトをビルドできるように設定します。 取り敢えず環境はLinux にしました。 .yml ファイルは後ほど作成するので、まずは"Start building"でビルドの設定を完了させます。

Cicle CI でビルド

Fork したqmk_firmware をローカル環境にクローンします。 クローンは割と時間がかかるのでしばらく待ちます。 クローンできたら次は.circleci フォルダにconfig.yml ファイルを作成します。

ちなみにWindows 環境では拡張子のみの表記であるフォルダ名(".circleci"みたいな)を普通に設定することができません。 このようなフォルダは以下の方法で作成します。

  1. 新規フォルダを作成する
  2. フォルダ名を編集する
  3. フォルダ名は".circleci."(末尾に"."があること)とする
  4. あとはEnter を入力すると末尾の"."が自動的に除外される

さて、config.yml を編集します。

ErgoDox EZ のキーマップをCircle CI でビルドするための設定ファイル

キーマップのビルドにはDocker を使用します。 ローカル環境でビルドする場合は"make ~~"とかしてたんですが、今はDocker のビルド スクリプトが存在します。 その方法がdocs/getting_started_build_tools.mdに記載されています。

 util/docker_build.sh keyboard:keymap 
 # For example: util/docker_build.sh ergodox_ez:steno

どうやら docker_build.sh にキーボードの種類とキーマップの種別を設定することでビルドしてくれるようです。便利! 上記のconfig.yml はこの方法を採用して書きました。

ビルドして試す

ビルド結果の .hex ファイルはこれまで通り .build フォルダに作成されます。 config.yml でも.build/ergodox_ez_default.hexファイルをArtifacts に設定しています。

あとはqmk_firmware/keyboards/ergodox_ez/keymaps/default/keymap.cファイルを編集してPush すると自動ビルドが実行されます。

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こんな感じでArtifacts に .hex ファイルが追加されていれば完了です!

今回は初めてDocker とCircle CI を触りましたが、Circle CI はビルドするだけなら簡単にできます。 また、Docker についても予めスクリプトが用意されているため、予備知識無しでもビルドできました。

ローカルに環境を作ると少しキーマップを変えたいと思っても時間が経っていると環境どこだっけとなりやすいので、できるだけサービス側に丸投げしたいところです。 今回のようにCI サービスを利用されている方もちらほらいるようなので一度お試しあれ。

(映画・感想)ブラック・ミラー:バンダースナッチ

NETFLIX オリジナル映画『ブラック・ミラー:バンダースナッチ 』の感想&レビューです。

あらすじ

1984年、天才プログラマーに出会い、ビデオゲーム「バンダースナッチ」の開発チャンスを得た若きプログラマーが主人公。ファンタジー小説に基づくゲーム開発に取り組むなかで、徐々に現実とパラレルリアリティが混同し始める…。

予告編

www.youtube.com

NETFLIX で話題沸騰らしい、映画の形として全く新しい「ストーリーを視聴者が選択できる」という映画です。 NETFLIX ではこの形式を"インタラクティブ映画"と称しています。"インタラクティブ"とは、直訳すると"相互に作用する"という意味ですが、コンピュータの世界では"双方向的なコミュニケーションが可能であること"、"ユーザーの操作に対して画面上の情報や内容が変化すること"を指し示します。

ちなみにブラック・ミラーというのはシリーズ物になっていて「社会風刺をブラックテイストに表現したオムニバス形式の物語」らしいです。オムニバス形式なので、1話ごとにストーリーや設定などは全く異なります。

以下、ネタバレ含みます!

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(映画・感想)FEAR.INC -フィアー・インク-

2016年に公開された海外ホラー映画『FEAR.INC -フィアー・インク-』の感想&レビューです。

  • タイトル : FEAR.INC
  • 監督 : ヴィンセント・マシャーレ
  • 公開 : 2016年
  • ジャンル : ホラー
  • 出演
    • ルーカス・ネフ(ジョー・フォスター)
    • ケイトリン・ステイシー(リンジー
    • クリス・マークエット(ベン)
    • ステファニー・ドレイク(アシュリー)

あらすじ

本当に怖い体験がしたいならある会社へ連絡を。名刺にあった番号に早速電話したホラー映画好きの男。すると、彼と友人達に次々と恐怖の出来事が襲い掛かり...。

予告編


最高の恐怖を味わいたかったら電話しよう!映画『フィアー・インク』予告編

タイトルの"FEAR"は日本語で"恐れ"、".INC"は"法人企業"や"株式会社"を表す単語なので本国だと"株式会社恐れ"みたいなタイトルになるんでしょうか。めっちゃダサいです。

以下、ネタバレ含みます!

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(映画・感想)BIRD BOX -バード・ボックス-

NETFLIX オリジナル映画『BIRD BOX -バード・ボックス-』の感想&レビューです。

あらすじ

謎の闇に突き動かされた者たちが相次々と命を絶ち、人口が激減して5年。ここまで生き延びてきた母親が2人の子供を連れて、安住の地を目指す危険な旅に出る。

予告編


視界を奪われた世界を生き抜く、サバイバル・スリラー『BIRD BOX/バード・ボックス』予告編

この監督の作品は始めてみましたが、Wikipedia で見る限り家族愛を描いた作品が多いんですかね?
あと、脚本の方が「エリック・ハイセラー」という方なのですが、過去に『遊星からの物体X ファーストコンタクト』の脚本もされていたそうで。あれも面白かった。
また、2017年に大ヒットした『君の名は。』のハリウッド実写版の脚本家にも抜擢されているそうです。これは知らなかった。

以下、ネタバレ含みます!

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